■これが遺言書の中身だ!(公正証書遺言の場合)
 

それでは早速表紙を開いてみると・・・・


 



まず開いて1ページ目。本文の紙は、裏が透けるくらいの和紙で趣があります。
数十年前の遺言書を扱うこともありますが、黄ばむくらいで、紙自体はしっかりしています。
やはり和紙は丈夫で長持ちです。

遺言者の他に、成人の証人2名が必要です。
今回は当事務所の事務員2名に大役をお願いしました。

「第壱条」で、妻に全部相続させる旨が記載されているのがわかります。



全部のページに公証人の割り印が押してあります。
ページの差し替えなどの改ざんを防ぐためです。
公証役場によっては、割り印をしないで特殊な機械で、細かなパンチで穴あけをするところも
あります。
 
そしてこのように財産内容を列挙します。
そして「第弐条」の部分で、列挙した以外のすべての財産を妻に相続させると記載して、もし
今後財産の移動があっても、これにて対応できます。

実は最近私がマンションを購入したのですが、完成が1年以上も後なんです。
そこで今回の遺言書には不動産の不の字もありませんが、この「第弐条」があることによって、
それらもすべて遺言書どおりに処理をすることができるのです。

そして「第参条」にて、「遺言執行者の指定」をしています。
これはどういうことかと申しますと、この遺言者の死亡後には、この遺言執行者の権限にて、
遺言書の内容実現が可能ということになります。

例えば遺言書で「Aに全部相続させる」と記載してあったとします。
そして、遺言者の死亡後にAさんが銀行に行き、相続預金の名義変更をしようとしたところ、

「他の相続人全員の実印と印鑑証明書が必要です」

と言われることが、実は結構多いんです。

このような時でも私どもであれば何とか交渉して遺言内容を実現させるように持っていき
ますが、一般の方には困難なことも多いでしょう。

そこでもし、遺言執行者を指定しておけば、遺言執行者の権限としては相続人よりも
一段上
という関係になりますので、銀行等の交渉もかなり有利に進めることができま
す。

今回のような明確な内容の遺言書でしたら、遺言執行者の指定をしておくのが良いで
しょう。

そして、「第参条 弐」というところで、遺言執行者が財産の名義変更その他の処分など
が滞りなくできるよう、念押ししてあります。
この一文が無くとも効力はたいして変わりませんが、より手続をスムーズに進めるための
仕掛けです。ここまで書けば文句は無い!?

そして「第四条」、「祭祀承継者の指定」です。祭祀(さいし)を承継する人を決めておく
ことにより、死後の埋葬や納骨の手続が速やかに進みます。



第五条の文言をいれました。一見、たいしたことないように思いますが、第五条の
ような文言は、実は法律的にはあんまり意味がありません。

あんまり意味がないが故に、公証人によってはこのような文言を入れたがらない
場合も実は結構あります。

ですので実はこの点が一番心配だったのですが、特に普通に入れることができ
ました。
ただ法的にはあんまり意味はありませんので、この第五条の記載に反して遺言書
に文句をつけたり争ったりしたからと言って、その相続人に罰則があったり、何か
不利になるということはあまりありません。

そして公証役場に保存されるこの遺言書の原本には、遺言者と証人2名の署名・
押印がされます。
遺言者に還付される「正本」や「謄本」には、原則として公証人以外の印は押して
ありません。

よく、公正証書遺言が見つかった場合に、遺言者や証人の押印が無いために
「無効な遺言書じゃないか!?」と驚かれる方もいらっしゃいますが、無効では
ありませんのでご安心ください。

遺言者の署名押印のある原本は公証役場に保管されて、関係者に発行される
正本や謄本は、公証人が、「公証役場に保管してある原本と同様の内容ですよ」
と証明したものですので、公証人の押印がある以上、どのような手続にも使用
できる有効なものなのです。


 


これが遺言書の裏です。


遺言書を作成すると通常、「正本」と「謄本」の2通が発行されます。
謄本には「謄本」と押印がしてありますが、内容としましては正本も謄本も同様
の内容です。




これが封筒の裏です。
封筒の裏はどこも同じですね。。。。

遺言書が完成した後は、自宅の金庫や貸金庫に保管される方が多いです。
また、仏壇にしまうという方も結構多いです。
いずれにしましても、完全に見つからない場所でも困ってしまいますので、
普段は手をふれない場所で、万が一の時には必ず遺族が手をふれるような
場所にしまってください(なかなか難しいかな・・・)。

正本はご自身で保管しておいて、謄本のほうを生前のうちに遺言執行者に
預けておくという方法も確実です。


以上、遺言書(公正証書遺言)はこういう感じなのですよ。実物を見るとだいぶ
イメージがつかめるかと思います。
今度は自筆の遺言書も作成してしまおうかと考えているところです・・・。
次回をお楽しみに・・・。




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