■散骨は違法?? |
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散骨という言葉は、聞いたことのある方も多いと思います。
文字どおり、遺骨を山や海などに撒いて、自然に帰すことです。無宗教の方、お墓に入りたくない方などが散骨を希望することが多いようです。
最近では散骨専門の業者というのもあるようで、遺骨を粉末状にして船から散骨したり、飛行機を飛ばして国内外の海や山に散骨したりするようです。遺骨の一部はお墓に、一部を散骨ということもできます。
散骨業者との契約は、生前に本人が業者と契約したり、亡くなられた後相続人が契約したりします。ただ、ご注意いただきたいのは、遺言書に散骨を希望する旨を記載する方も増えてきているのですが、遺言書に記載することにより法的な効力が発生する事柄は決まっているため、遺言書で散骨を希望した場合でも、法的効力は発生せず、相続人はそれに応じる法的義務はありません。
余談ですが、遺言書に「兄弟仲良く云々」と書いてあるにも拘らず、仮に兄弟がケンカばかりしたとしても遺言書に違反したということで、何かペナルティーがあるということはありません。このように、遺言書に記載すれば何でも法的効力があるわけではないのです。
それでこの散骨ですが、、
違法じゃないの??
刑法・第190条
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。
よく、ニュースなどで「死体遺棄の疑いで・・・」というあれです。
墓地、埋葬等に関する法律・第4条
埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。
条文を見る限りでは、思いっきり違法ですね・・・。
なんで堂々とやってるんでしょうか??
実はそれにはワケがありまして・・・。
従来、この条文どおり違法とする考えもあったのですが、法務省が1991年にある見解を出しました。
その見解とは、
散骨について、「葬送のための祭祀で、節度をもって行われる限り問題はない。死者を弔う目的で、相当の方法で行われるのであれば刑法の死体損壊罪の遺骨遺棄には当たらない」
というものです。
また、墓地埋葬法に関して旧厚生省は、
「墓地、埋葬等に関する法律は、散骨の様な葬送の方法を想定しておらず、法の対象外で、禁じているわけではない」
との見解を発表しています。
これにより、現在では散骨が堂々と可能になっているのです。
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