■一体いくら相続税を払うの?(相続税率と計算方法)



相続税の納税のために不動産を売却したとか、相続税を分割で何年も支払い続けているとか、3代で相続財産が無くなる・・・等々、相続税は高いというイメージが強いかと思います。

そこで実際に相続税率はどのくらいなのでしょうか。実は相続税率は以前は最高70%であったのですが、平成15年から最高が50%に引き下がられ、負担が軽くなりました。

相続税額速算表

課税遺産額 税率 控除額
〜1,000万円以下 10% 0
1,000万円超〜3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超〜5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超〜1億円以下 30% 700万円
1億円超〜3億円以下 40% 1,700万円
3億円超 50% 4,700万円


このようになります。

例えば相続財産が1億2,000万円で、相続人が
 妻  8,000万円
 子A 3,000万円
 子B 1,000万円
ずつ相続した場合には、次のようになります。(債務や葬式費用、みなし相続財産などはない場合)

まず基礎控除額は

 5,000万円+(1,000万円×3名) = 8,000万円

となります。


ですので、課税遺産総額は、

 1億2,000万円−8,000万円 = 4,000万円

となります。


次に、各相続人が法定相続分どおりに相続したとして計算します。

(実際には取得割合はいろいろとありますが、まずは法定相続分どおりの計算をしなければなりませんのでご注意を)

妻 =4,000万円 × 1/2 = 2,000万円

   子A=4,000万円 × 1/4 = 1,000万円

   子B=4,000万円 × 1/4 = 1,000万円

そして上記の相続税額速算表に1人ずつあてはめていきます。

   妻は2,000万円ですから、

    2,000万円×15%(税率)−50万円(控除額)=250万円

   子は1,000万円ですから、

    1,000万円×10%(税率)−0円(控除額)=100万円

   もう1人も子も同額ですので、

    1,000万円×10%(税率)−0円(控除額)=100万円


全部合計して、法定相続分どおりの相続税総額を算出する。

   250万円+100万円+100万円=450万円

 

算出した額を、実際の相続割合にあてはめます。

   妻の実際の相続割合=8,000万円/1億2,000万円=0.67

   子Aの実際の相続割合=3,000万円/1億2,000万円=0.25

   子Bの実際の相続割合=1,000万円/1億2,000万円=0.08

 

実際の税額を算出します。

   妻の実際の税額

    450万円×0.67=301万5,000円

    ただし配偶者の税額軽減を適用すると、妻の取得額が1億6,000万円以下ですので、
    なんと妻の今回の税額はゼロ円です。


   子Aの実際の税額

    450万円×0.25=112万5,000円


   子Bの実際の税額

    450万円×0.08=36万円

 (未成年者控除や障害者控除などが適用できる場合には、この額から控除をするわけです。)


これで相続税額が算出できました。

妻はゼロ円ですので納税額合計は148万5,000円ということになりました。
もしこれを全て妻が相続していたら、総額でもゼロ円でしたね。
(ただしその場合将来妻が他界された時に子の相続税が大変になることも。)
この額を納付書にて郵便局等で払い込んで、相続税の申告をするわけです。



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